- 2021.06.02
商品開発秘話『産地のみそ汁めぐり 減塩 40食』減塩でも“おいしい”みそ汁をつくるために
「産地のみそ汁めぐり 減塩 40食」とは(現在は終売しています)
ひかり味噌より発売している通販限定の「産地のみそ汁めぐり 減塩 40食」。各地の名産味噌4種類と具材5種類を詰め合わせた即席みそ汁のアソートBOXです。
当社の通販部門において、年間売上1位の人気商品『産地のみそ汁めぐり 60 食』の1食分に対して塩分を30%カットした、シリーズ初の減塩タイプです。各地から厳選して仕入れた味噌に、それぞれの特長や風味にふさわしいだしを合わせることで、減塩ならではのやさしい味わいの中にも旨みとコクが感じられるみそ汁に仕上げています。
名産味噌は「信州みそ」「三州豆みそ合わせ」「京都白みそ合わせ」「九州麦みそ」の4種類。具材は定番の「とうふ」「長ねぎ」「白菜」に、香り高い「あおさ」、彩り鮮やかな「かきたま」を揃えました。4 種類の味噌と 5 種類の具材の組み合わせで、20 通りのみそ汁を味わうことができます。
「産地のみそ汁めぐり 減塩 40食」の誕生経緯
味噌は日本の伝統食品として全国各地に様々な特色を持つものが存在しています。
「信州味噌」に代表される流通量の80%超を占めるのが大豆に米麹を加えた「米味噌」、九州や中国・四国地方の一部で食されている大豆に麦麹を加えた「麦味噌」、愛知県東部中心に大豆のみで作られる「豆味噌」に大別され、原料や配合、色、味わい、香りなどでさらに細かく分類されます。
それら味噌の多様性や味の違い、伝統食としての味噌に気軽に親しんでいただきたいという思いから、15年以上前に即席みそ汁の「産地のみそ汁めぐり」が誕生しました。
今回の商品は、そのシリーズとして2016年に発売した「産地のみそ汁めぐり60食」という、5種類の名産味噌と10種類の具が入った即席みそ汁の減塩タイプです。
『自宅にいながら、各地の名産味噌を味わい、イラストで旅した気分を楽しんでいただく』というコンセプトのもと、60食のパッケージにも各地の名所や名産品のイラストが描かれており、減塩にも継承されています。
開発のきっかけとなったのは、お客様から寄せられる声とコロナ禍における需要の高まりです。60食は50通りのみそ汁が楽しめて、1食あたりの価格も控えめということから非常に人気があり、以前から“減塩タイプも欲しい!”とのお声を頂戴しておりました。
またコロナ禍における健康意識の高まりで塩分を控えたいという方が増えたことから、昨年10月に開発をスタートさせました。
“おいしい”減塩みそ汁へのこだわりと苦労
“減塩タイプも欲しい!”というお声があっても、15年以上それまで開発しなかったのは、趣の異なる味噌で“おいしい”減塩を実現させる難しさがあったからです。
一般的な味噌は100gあたり12g前後の塩分を含み、その量が味を左右する要因の一つであることから、減塩みそ汁で“おいしい”と感じられる味を作るのは難しく、特に今回の商品のように、趣の異なる4種類の味噌すべてで“おいしい”と感じられる味に達するまでには、様々な課題をクリアするための試行錯誤が必要でした。
味噌を減らす代わりとして単にだしを大幅に増やすことはできないため(だしにも塩分が含まれており、またバランスが崩れる)、調味みそに具を合わせた時においしく感じられる塩分値がどこかという点を追求しました。具についても、塩分の関係から海藻を入れることが難しいため、お湯を注いだ時にコクや香り、旨みが引き出される具材を選択し組み合わせました。
当社の商品開発部員の経験や知識、工夫が結集し、味噌の配合、だしとのバランス、具との相性などをひとつひとつ細かに調整し、私たちの視点ではありますが、皆さまに喜んでいただけるような味が作り出せたのではないかと思っています。
商品パッケージのイラストに隠された想い
商品の企画担当者がインハウスのデザイナーでもあり、時間と手間、思いを込めて制作しました。
コロナ禍の外出自粛で旅することがままならず、各地の祭りや伝統行事も開催中止となるなど日本全体が意気消沈しているような状況なので、“日本がんばれ!”の思いを込めて、祭りや名所、名産品のイラストの制作や配置をしています。(イラストの約半分は、デザイナーが描きおこしたものです。)
おみそ汁を食べながらパッケージを見た時に、「このイラストはなんだろう?」と思いを巡らせたり、行ったことがある場所を懐かしんだり、行ってみたいと思っていた場所に「いつか行くぞ」と思っていただいたりしていただければと思っています。